『ステラーブレイド』開発者、PC版のMod開発を歓迎。“どんなModを”とはいわない

Shift Upは6月12日、『ステラーブレイド（Stellar Blade）』のPC（Steam/Epic Gamesストア）版をリリース予定だ。PC（Steam）向けには製品版へのセーブデータを引き継ぎ可能な無料体験版が配信中。同社のCEOはModを歓迎しているようだ。

『ステラーブレイド』は、侵略者から地球を取り戻すために戦うアクション・アドベンチャーゲームだ。本作の地球は、突如現れたネイティブと呼ばれる敵に襲われ、占領されていた。コロニーから降り立った兵士イヴは、人類の未来を取り戻すため、地球に残った生存者アダムや、かつて空挺部隊の隊員であるリリーと協力し、ネイティブに立ち向かうこととなる。本作は2024年4月にPS5向けに先行リリースされ、来たる6月12日のPC版発売にあわせ、『勝利の女神：NIKKE』コラボDLCも配信予定だ。

本作のディレクターであるキム・ヒョンテ氏は、過去には『マグナカルタ』のキャラクターデザインなどを担当し、自身のスタジオShift Upを設立。『DESTINY CHILD』や『勝利の女神：NIKKE』を手がけてきたことで知られるクリエイターだ。同社のCEOも務めている。

そんなキム・ヒョンテ氏がプレスカンファレンスの質疑応答にて、本作のPC版についてのModに対する見解を問われ回答したようだ。プレスカンファレンスにおける同氏の回答として伝えられた内容によれば、『ステラーブレイド』においては、プレイヤーがModを使用することを全面的に支持しており、自身もいくつかのModを試したいとのこと。また、より多くのプレイヤーがMod制作に参加できるようになることを願っているという。

実際、公式Xからも本作のPC版について、Modは制限なく完全にサポートされている（Mods are fully supported without any restrictions）ことが発表済みであった。そして5月31日に体験版が配信されるや否や多数のModが登場。公式Xにおいて、本作をVR化した映像やオリジナル衣装Modをポストしたり、別のキャラクターに置き換えるModをリポストしたりなど、Mod支持を体現するかのような振る舞いも見受けられる。

本作はゲームエンジンUnreal Engine 5で制作されており、同エンジンはModフレンドリーであることが知られている。たとえば、多くのModは指定のフォルダにModファイルを配置するだけで導入可能だ。また、同エンジン製のすべてのゲームに共通するツールなども存在し、VR非対応のゲームをVR化する非公式ツールUEVR（Universal Unreal Engine VR Mod）はその代表格だろう。先述した、公式XによるVR映像はUEVRによるものと思われる。

そのほか、Mod投稿サイトNexus Modsには体験版の段階でありながら、本稿執筆時点で30件を超えるModが投稿されている。オリジナル衣装やキャラクター置き換えModのほか、グラフィック強化や安定性を向上させるModなどさまざまなものが登場。もちろんよりイヴをセクシーにするようなModも登場しているので、興味ある方はチェックするのもいいだろう。

なお、今回CEOからあらためてModを支持することが伝えられたかたちでありつつ、本作がソロプレイヤー向けの作品であることは念頭におくべきだろう。実際、同社の運営型ゲーム『勝利の女神：NIKKE』のエンドユーザーライセンス契約書においてはあらゆる種類のModは禁止されている。

とはいえこれは『勝利の女神：NIKKE』に限った話ではない。たとえばカプコンによる技術者向け動画では、大多数のModはゲームにいい影響を与えるとしつつ、チート/海賊版対策という観点においてはすべてのModは実質的にチートと変わらないと説明されている。特に運営型のゲームにおいては、Modの導入によりデータの破損を招きサポート負荷が生じたり、公序良俗に反するようなModがリリースされた場合には、製品イメージを損ねてしまったりする可能性もある。今回のShift UpによるMod文化の支持表明については、あくまでシングルプレイのゲームである『ステラーブレイド』についての姿勢であることには注意が必要だろう。

『ステラーブレイド』無料体験版はPC（Steam）向けに配信中。なおPS5向けには現在販売中。本作のPC版はSteam/Epic Gamesストアにて6月12日リリース予定だ。『勝利の女神：NIKKE』コラボDLCおよび『NieR:Automata』コラボDLCと、各種特典が同梱されるコンプリートエディションもPC版リリースと同時に発売予定だ。